男性の場合、髪の毛が薄くなってくる場合のほとんどは、男性型脱毛症(AGA)によるものです。
「抜け毛が増えてきた」「ハゲてきたような気がする」そう感じたらすぐにでも対策した方がいいのは言うまでもないのですが、そもそも、どのような仕組みで薄毛は進行していくのでしょうか?
適切な対策をしていくためにも、男性型脱毛症の仕組みを知識として持っておくのは大切なことです。
そこで今回は、ハゲ(AGA)のメカニズムを解説していきます。
薄毛が進行するのはヘアサイクルの乱れから
AGAの大きな特徴として、徐々に進行することが挙げられます。
例えば円形脱毛症などは、ストレスによって髪の毛の一部が急激に薄くなったりするわけですが、AGAの場合は違います。
1ヶ月、2ヶ月という短期間で急に目に見えてハゲるのではなくて、ゆっくりと薄毛が進行していって、気づかぬうちに頭頂部の頭皮が見えるほど薄くなっていたり、M字部分がくっきりとしていたりするのです。
なぜAGAは徐々に進行するのか?
それはヘアサイクルの乱れが関係しています。
AGAを発症すると、ヘアサイクルが正常な人と比べて成長期が短くなってしまい、それによって髪の毛全体の本数が徐々に減ってしまうのです。
ヘアサイクル(毛周期)とは?
「ヘアサイクル」という言葉が出てきましたが、そもそもヘアサイクルとは何なのでしょうか?
毛周期とも呼ばれていますが、髪の毛は生えて抜け落ちてを繰り返しています。
今生えている髪の毛は、小さい頃からずっと生えている髪の毛ではなく、生えて抜けてを何度も繰り返しているのです。
髪の毛には、大きく分けて3つの時期が存在します。
- 成長期:髪の毛が成長している時期
- 退行期:成長が止まって髪の毛抜けるまでの時期
- 休止期:髪の毛が抜けて新しい髪の毛が生えるまでの時期
それでAGAを発症した場合、このうちの「成長期」の期間が極端に短くなってしまうのです。
成長期が短くなってしまうと、新しく髪の毛が生えてくる前に今の髪の毛が抜けていくので、生えるペースよりも抜けるペースの方が早くなってしまいます。
すると、生える髪の毛<抜ける髪の毛となるわけですから、当然、髪の毛の量が減っていくというわけです。
ヘアサイクルの乱れはジヒドロテストステロンが関係
では、「なぜAGAの人はヘアサイクルが乱れるのか?」という話を次にしていきます。
ヘアサイクルを短くする原因は、はっきりとわかっています。
それは、ジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンです。
ジヒドロテストステロンは、テストステロンが5αリダクターゼによって変換されることで作られます。(テストステロン:男性ホルモン、5αリダクターゼ:還元酵素)
作られたジヒドロテストステロンが、毛乳頭細胞にくっつくと、髪の毛の成長をブロックしてしまうのです。
ということは当然、ヘアサイクルを短くする原因であるジヒドロテストステロンを何とかしなければいけません。
対策としては、
- ジヒドロテストステロンを作らせない
- ジヒドロテストステロンを排出する
このどちらかとなるわけです。
ジヒドロテストステロンを作らせないためには?
ジヒドロテストステロンを作らせないことも・排出することも、どちらも大事です。
AGAだとわかっているのであれば、ジヒドロテストステロンを作らせないための対策も排出するための対策も両方行った方がいいのは間違いないのですが、特に重要なのは”ジヒドロテストステロンを作らせないこと”です。
ジヒドロテストステロンの生成量を減らすことができれば、そもそも薄毛は進行しません。
薄毛が進行しない状態を作ることができれば、ミノキシジルが含まれている発毛効果のある育毛剤などを使うことで、今よりも髪の毛を増やすことができるわけです。
ジヒドロテストステロンを作らせないための最も一般的な対策は、プロペシア(フィナステリド)を飲むことです。
プロペシアを飲むことが、最も一般的であり、何よりも効果の高い対策です。
ただ、プロペシアを飲めばいいとは言っても、皮膚科に行って処方されたものを服用しているだけだったり、ジェネリックを海外から輸入して服用しているだけでは、適切な治療になっていないケースがあります。
効果があることは間違いないのですが、全ての男性が同じ対策をして同じ効果を得られるわけではありません。
じゃあどうしたらいいか?ですが、まずは今のAGAの状態を把握するために、クリニックのカウンセリングを受けてみるといいです。
カウンセリングを受けてみて、自分にピッタリの治療方法を見つけてから実際に治療を開始する。
それが金銭的にも時間的にもムダのない薄毛対策になります。